ラクスルアナンダ

楽して自由になりたいライフハックと仕事ハック

短く・印象的に表現するための技術を磨く

長々とした文章は、それを記憶することも難しいですし、プレゼンでも聴衆には響きません。短い言葉でで表現する練習をすることで端的な印象に残る言葉が作れます。

 

これは、プレゼンで非常に強力なツールになりますが、自分の目標を達成するためにもとても役に立ちます。

 

たとえば、マンガ「ワンピース」の主人公ルフィー。彼の目標は、「海賊王になる!」なのですが、彼の言う海賊王というのは、どうやら他の人の言うところの海賊王ではなさそうです。

  「自分のやりたいと思うことを、やりたいままにやれる人」

というくらいの意味ではないでしょうか。

だとすると、

  「海賊王に、俺はなる!」

ではなくて、ただしくは

  「自分の望むことを、自分が望んだときに、望んだようにやれる人間になる!」

でもいいはず。

 

 

過去の多くの哲学者は有名な言葉を残しています。

 

  「我思う故に我あり」(デカルト)

  「全てを疑え」(マルクス)

  「神は死んだ」(ニーチェ)

  「目は心の窓である」(プラトン)

  「天才を知る者は天才である」(ヘーゲル)

  「人間は時間的な存在である」(ハイデッガー)

 

これらの言葉の正確な意味はわからないにしても、多くの人が聞いたことがあるのではないでしょうか。これらの言葉が生まれるまでには膨大な思索があり、それらをすべて包括するようにして、ものすごく印象的で象徴的に組み立てられた言葉であることはわかるのではないかと思います。

 

普通のサラリーマンがこんな言葉を残すことはできませんが、そこから学んで少しだけ真似をすることができます。それは、自分の意見を短くまとめることで相手にしっかり印象に残すことができるという技術です。

 

■短く表現しないと記憶には残らない

前述の名言の特徴は、短いことと、想像力を掻き立てることです。これは流行語になった言葉でも同じですね。

 

  「あたり前田のクラッカー」(前田製菓

  「亭主元気で留守がいい」(金鳥ゴン・大日本除虫菊

  「24時間戦えますか」(リゲイン・三共)

  「私は"コレ"で会社をやめました」(禁煙パイポ・アルマン)

 

これらは記憶に残りやすいのです。

 

たとえば、プレゼン資料などを作るときに、言いたいことを正確に伝えるために言葉を尽くして書いてある資料があります。

 

DXのためには、まず生産性を高めるために高性能なPCをすべての従業員が活用し、時間の係る手続きや書類を簡素化することが必要。つぎに、今の業務プロセスに合わせてシステムを構築するのではなく、世の中で標準的に使用されているアプリケーションを使って自分たちの仕事のプロセスを変えること。そのために日常的な業務をなくせないかと前提を疑い、改革することが重要です。

 

と1ページにびっしり書いてあっても記憶には残りません。なにかいっぱい書いてあったなぁとは思うでしょうが、もう一度言えといわれてきちんと思い出せる人は少ないでしょう。

 

  DXで昨日までをシンプルに!!

 

と書いてあればどうでしょうか。

 

 

■20文字以内で表現しなさい

筆者は若いときに上司から、「今年の業務の目標を20文字で書いてもってこい」と毎年言われました。当時は毎年、「文字数が足らない」とか「なにが言いたいかわからない」とか言われて、何度も何度も突っ返されるのですごく嫌だったのを覚えていますが、今になってそれがどれほど重要なことだったのかを思い知りました。

 

20文字というのは、だいたい一気に言える最大文字数です。なので、絶対に20文字ということはないのですが、自分の考えていることを表現するためには、哲学者みたいに言葉をとことん突き詰めて考えられない凡人には最小限の文字数でもあります。

 

自己啓発書などを読んで、人生の目標を手帳に書いている人もいると思います。それは諳んじて言うことはできますか。手帳のページの半分くらいを使って、たくさんの目標を書いている人も少なくないのではないかと思います。

 

  「海賊王に、オレはなる!」

 

シンプルで切れの良い言葉が書いてありますか?

 

ひと目で理解できる文字数というのは、だいたい20文字が限界と言われています。それ以上だと、じっくり読まないと理解できないのです。考えないとわからないものに対しては、反応は2通りに別れます。頑張って理解しようとする場合と、考えることを放棄してしまう場合です。

 

プレゼンに対して思い入れのある人は前者の行動を取りますが、ほとんどの人は後者、つまり「ふ~ん?」と思って聞き流す(見流す?)だけです。

 

■単に短くしてもダメ

ここまで書いた事例からもわかると思いますが、単純に言葉を短くしてもダメです。

 

先程のDXの例で言えば

 

  「シンプルに!」

 

では伝わりません。短くすればいいというわけではないのです。そのメッセージの内包している戦略的な位置づけや前提条件、時系列的な概念などをしっかり取り込んでいないといけないのです。

 

標語なども同じで、長い標語はそこに書かれているものがどれほど良いものであっても、以下のようなものは誰も覚えてくれません。

 

 必要なものを残し、不要なものは捨てる

 必要なものをすぐに使えるように置くところを決めてかならずそこに返却する

 掃除をしてホコリ・ゴミがない状態にする

 必要なものが必要な場所にありきれいな状態を常に維持する

 

と言うより

 

  整理・整頓・清掃・清潔

 

と言うべきなのです。

 

 

■(ヒント)俳句にする

ところで、日本語にはすごく便利なものがあります。【俳句】です。

あの、"5・7・5"というのはすごくリズムがいいです。これを使うと17文字になります。覚えるのにも丁度いいのです。

 

今日からこの練習をしませんか。

 

今日の目標や1日のまとめを俳句で表現するのです。もちろん、季語だとか字余り・字足らずなどは気にする必要はありません。5・7・5のリズム感だけを気にしておけば十分です。

 

これは物事を端的に、かつ明確に表現する訓練になります。そのうちにサラリーマン川柳にでも応募できるような作品ができたら一石二鳥です。