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gRIDs~倍速で日本語をローマ字入力する方法


筆者の使っている Google日本語入力のカスタマイズ方法をご紹介します。これは gRIDs と命名しています。ローマ字入力でありながら、かな入力並みの入力速度が実現できますので、ぜひ知っていただきたく。
ただ、ブログという範囲では紹介しきれないので、書籍化して詳細を説明する資料を作成しました。

 

■gRIDsとは


日本語入力の方法は、実に様々な入力方法がありますが、ほとんどの人はローマ字入力を使用しています。しかしこれは入力効率がよくありません。基本的に、ひらがなをローマ字で入力して感じに変換するのですが、ほとんどのばあいは、1文字のひらがなを入力するのに2回キーをタイプする必要があります。

さらに日本語では、同音異義語(同音異字語)も多くて、これを選択するために、変換された漢字が正しいかどうかをもう一度読み返す必要があります。つまり、たとえば、「階層」と入力するときに、これに相当する音をローマ字化して、それによってひらがなが入力されたのを確認し、さらに変換キーを押して、それが所望の文字に変換されたことを確認する必要があります。

細かく手順を書くと

  階層    と考える
  かいそう  と音にする
  kaisou   とローマ字を思い浮かべて
  kaisou   とタイプする
  かいそう  と入力されたことを目視確認する
  [変換]   変換キーを押す
  改装    などと表示されるので、それを読む
  [変換]   期待した文字でないので再度変換キーを押す
  [カーソル] メニューが表示されるので、目的の漢字を目視確認して選択
  階層    Enterキーを押して確定し、期待どおりであることを確認

のようなステップをたどります。このうちどれかが抜けると、いわゆる「誤字脱字」になります。

メールなどで誤字脱字や誤変換が多いのは、単に文字を入力するだけではなく、その前後の文章も頭の中に入れて置かなければいけないため、集中力が途切れてしまうことによります。

つまり、もともとは、「会社の階層構造は社長をトップとした樹状細胞のようになっている」と書こうとしていたとしても、この「階層」という文字だけで、これだけの脳のリソースを使ってしまっているのです。

そもそも人間は5~7個の「ものごと」しか記憶できないと言われています。

つまり、もともと書きたかった文章を記憶しておくだけでも、記憶容量が必要なのに、さらにそれを入力するための記憶容量が必要になるので、変換に失敗してちょっと書き直したりすると、もはや最初に何を書こうとしていたのか(何を言おうとしていたのか)がわからなくなってしまうのです。

PCなどで文章を書くよりも、手書きのほうがきちんと文章を書くことに集中できるという実験結果があります。これはこうした問題があるからなのでしょう。

これの文章を入力する作業をより簡単に、より確実に所望の文字を入力でき、さらにより高速に入力するためのツールが、gRIDs です。

 

 

■gRIDs のヒミツ


gRIDs の概要については、前回の記事で触れましたのでそちらを参照してください。

簡単に述べると、コアになるのが、Google日本語入力による、ローマ字タイプ機能の拡張です。
ローマ字入力では、1キー目に「子音」文字、2キー目に「母音」をタイプします。たとえば、「か」と入力するなら、k が1キー目、aが2キー目で、「か」というひらがなが入力できます。

しかし、日本語では、「か」に続く1文字は、割りと限定されます。「かん」「かり」など頻出するパターンがあるのです。またローマ字入力では、2キー目に子音文字が来ることがありません(「っ」の入力方法を除く)。たとえば、「kn」と入力することはないのです。それなら、使わないこれらのキーを使って、ローマ字の拡張をしてやれば、より簡単に入力ができるようになります。つまり、「kn」に「かん」と割り当ててやれば、2回のキータイプで ひらがな 2文字を得られるというわけです。

しかし、使わない2文字目のキーをうまく配置しようとしてもなかなか面倒ですし、それを覚えるのはかなりの手間を要します。これを解決するために、あるパターンをひとつ覚えれば、全てに応用可能にしたのが、gRIDs の配置です。
キーボードを格子状に分けて、使用頻度の高いキーの配列を定義しているので、1週間も続ければほぼ覚えられるでしょう。

配置は、「んいくつきり」の順番に並んでいます。これだけ覚えれば、あとは慣れの問題です。
ちなみに、ローマ字入力自体は若干の修正は加わっていますが、ほぼ上位互換性がありますので、かな入力のように、覚えるまでに作業速度が落ちるということがほとんどありません。

■gRIDs のユーザ辞書定義


日本語辞書も使って、誤変換を抑制することができます。つまり、特定のひらがなは、一意の漢字に変換されるようになります。たとえば、「機械」は「きかい」と入力しますが、「きかい」を変換すると、「機会」「奇怪」「喜界」などと変換されてしまうことがあるのですが、gRIDs では、

 機械 は「えましん」と入力する

ことでかならず、「機械」が得られるようになっています。

こうした機能は、日本語辞書によるものですが、こうした辞書定義はあまり公開されていません。それはこうした誤変換をよくせするための読み替えが、人のくせによって千差万別あるために、ある人にはわかりやすいが、他の人にとっては、全く想像もつかないものであることが多いので、他人のユーザ辞書は自分には役立たないということが多いからです。

そこで、gRIDsでは、以下のように読み替えをルール化しています。

 音読みの漢字は訓読みの最初の2文字で読み替える
   例: 衛星 ⇒ えいほし
      同型 ⇒ おなかた
 中学生程度の英語に読み替えるものは先頭に「え」をつける
   例: 機械 ⇒ えましん
      大気 ⇒ ええあ

これらによって誤変換はほとんどなくなります。
また、筆者の作った同音異義語の拡張手順についてもネットでデータを拾ってきて一括変換する方法が詳しく述べてありますので、簡単に大量の読み替え辞書を自作できます。

■gRIDs の目次


・第1章 概説
 ・用語解説
 ・gRIDsローマ字拡張のアイディアの基本思想
 ・Google日本語入力
 ・かな漢字変換の入力方式
 ・gRIDsの特徴
 ・ローマ字入力の拡張
 ・ローマ字入力との互換性
 ・記号のローマ字定義
 ・gRIDsユーザ辞書拡張
・第2章 gRIDsローマ字拡張の設計
 ・gRIDsローマ字拡張
 ・「ん」の入力
 ・小書き入力(撥音・拗音・促音)
 ・特殊入力(例外と記号)
 ・読み替えによる変換ヒット率の向上
 ・短縮入力
・第3章 gRIDsのインストール
 ・Google日本語入力のインストール
 ・Google日本語入力設定の変更
 ・gRIDsローマ字入力定義のインポート
 ・ユーザ辞書のインポート
・第4章 gRIDsの使用
 ・gRIDsローマ字配置
 ・ローマ字入力との非互換部分
 ・頻出するローマ字の例外定義(特殊入力)
 ・gRIDsローマ字拡張のまとめ
 ・ユーザ辞書
 ・ユーザ辞書登録の操作方法



■参考図書 『gRIDs Google日本語入力による倍速ローマ字入力システム: ローマ字入力効率が劇的に向上するメソッド

gRIDsはローマ字入力のキーの打件数を劇的に少なくします。たとえば「方法」を入力してみてください。「houhou」と入力します。しかし、gRIDsでは「hphp」です。打件数が6→4に減っただけでなく、同じパターンのキーを入力するだけになっていて、より高速に打鍵できることがわかるでしょう。ではつぎに「※」記号を出してみてください。「kome」と入力して変換してカーソルキーで※記号を選びませんでしたか? gRIDsなら、#キー を2回連続で打鍵する(「##」と入力する)だけです。矢印記号(たとえば「→」)が出したければ、「>>」の2連打で入力完了です。「かな入力」方式は打件数が少なく非常に効率の良い入力方法です。しかし、ローマ字入力のようにサクサク入力できるようになるためには、長い長い努力と忍耐が必要です。gRIDsならローマ字入力方法はそのままで、ローマ字に新しいパターンを追加しているので、今の入力速度が下がることはありません。ただし、gRIDsには、Google日本語入力が必要です。Google日本語入力を使っている人やMicrosoft IMEでなくてもかまわない人で、もっと素早く日本語入力がしたい人だけのために本書があります。gRIDsは、ふたつの要素からできています。  1.gRIDsローマ字拡張  2.gRIDsユーザ辞書拡張本書の読者の方には、このgRIDsをあなたのPCにインストールするための Google日本語入力用のローマ字定義ファイルと1800個の単語(基本的で頻出する同音異義語、読み替えしたほうがいい頻出漢字、ビジネスでよく使うフレーズなど)を登録したユーザ辞書ファイルをプレゼントします。ローマ字入力で、かな入力に迫る入力速度を実現する gRIDs にご招待します。※gRIDsのアイディア・発想については、筆者は何ら権利を主張しません。 ご自由に改変・流用してください。

 

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gRIDs Google日本語入力による倍速ローマ字入力システム: ローマ字入力効率が劇的に向上するメソッド
著者 :影無春雪
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