ラクスルアナンダ

楽して自由になりたいライフハックと仕事ハック

100冊読んでみてわかったAudibleの活用方法

Amazonの書籍読み上げサービスAudible。3ヶ月ほど実際に使ってみました。

読んだ本は約100冊。ビジネス書、自己啓発書、小説、ノンフィクション。基本的には片っ端からという感じで。

 

普段は、epubやテキストファイルを @Voice Aloud Reader (TTS Reader) というスマホアプリで聞いていますので、聞く読書という意味では、これとの比較になります。

また普通の本は、epub や自炊して電子化して読むことも多いですが、有償でないと入手できないものは、図書館で借りてきて(結局無償で)読んでます。

 

これらとも比べてみたいと思います。

 

Audibleが勝っていると思う点

1.手ぶらで読書

Audibleで良かったと思うところは、まず何はともあれ、手ぶらで読書ができるところです。ヘッドセット(イヤフォン)さえあれば、通勤途中でも、歩いていても、運転中でも、食事中でも、家事をしていても、読書ができます。

これは圧倒的なアドバンテージです。頭をつかうような作業と同時にはできませんが、体を使うことであれば、並行して読書ができます。このため、従来より読書時間が圧倒的に増えます

 

当然、同じことはTTS Readerを使用した@Voice Aloud Readerというアプリ(以下@Voice)でも可能です。しかし、TTS Readerは所詮機械読み上げなので、誤読が少なくありません。

たとえば、「お主、何者じゃ!?」というセリフ。@Voiceだと、「おあるじ、なにものじゃ」になります。また他の漢字と連続すると別の読み方をする場合もあるので、たとえば、「主様」は「あるじさま」と読んだり、「あるじよう」と読んだり一定しません。

 

当然、Audibleではこのようなことはありません。聞き取りやすくきちんと発音してくれます。

 

また、読み上げてくれるというのは、あらゆる姿勢で聞けます。

寝転がっていようが、立っていようが、逆立ちしていようが読書できます。見る読書ではこうはいきません。必ず目の前に、本が必要です。

 

2.声優の圧倒的な臨場感

小説をAudibleで聞いてみるとはっきりわかります。誰のセリフか、どのような感情があるのか、その違いはさすがにシロートとはわけが違う。臨場感が違います。

これは実用書でも、強調すべきところを強く、淡々と説明するところは淡々と。こうした強弱の使い分けは「さすがはプロ」だと思います。

 

とくに、いくつかの作品では登場人物ごとに声色を変えていて、一人で読み上げているとは思えません。普通小説を読んでいても、セリフが複数ある時

  「オレはそうなんだと思うぞ」

  「いやそうじゃない」

なんて並びになっていると、どれが誰のセリフかは、その前後の説明を読まないとわかりません。これが自然にわかるのです。これはかなりインパクトがあります。

 

見る読書では味わえない読書体験になります。

本当にその世界に引き込まれます。

 

3.自然な速読

Audibleでは3.5倍まで再生速度を上げることができます。スピーカーで聞くのであれば、だいたい2倍強くらいが限界ですが、ヘッドフォンで聞くなら、3.5倍でも聞き取れます。

これは、自然に速読しているのと同じです。

ただ個人的にはもっと早くても良かった。特に実用書は細かいところは聞き取れなくてもいいので、何が書いてあるかをざっと聴きたいみたいな用途では、4倍速くらいでも十分聞き取れます。まあ、これもなれの問題だと思いますが。

 

少なくとも、3倍程度で聞いていれば、普通に本1冊(約2~4時間)と比べれば十分速い速度で楽しめます。

 

ただし、これは声優の声質にかなり依存します。私はどちらかというと、女性の声のほうが速聴に向いていると思うのですが、少しハスキーな声の人だと、高速にすると聞き取れなくなりますので、安定性という意味では男声のほうが安定して早くできました。

これはかなり主観になるので、誰にでも言えることではないとは思いますが。

 

 

Audibleでは「ちょっと…」と思う点

1.聞き逃す

Audibleは、「ながら聞き」をすることが多くなると思います。そうすると、「いまのとこ、ちょっと気になる」と思っても止まってくれません。

見る読書では、気になったところは、繰り返し読むとか、一言一句丁寧に読むということを自然にしているのですが、聞く読書ではこれができません。淡々と流れていってしまいます。

 

もちろん、Audible自身には一時停止や、10秒戻すなどの機能がありますが、それはスマホを手に持って、すぐにタップできる状態に限定されます。ながら聞きをしているということは、たとえば運転中にあわててスマホを操作するのは、文字通り自殺行為です。命を賭けてまでもう一度聞こうとは思わないので、結局流れていってしまいます。

 

たとえばボイスコマンドで、「マーカー」と発音すると、そこにマークが付いて、あとから聞き返せるようになるとかの機能があると良いのですが。

 

2.登場人物がわからない

1に関連しますが、サラッと流れていってしまうために、登場人物の名前や固有名詞が覚えられません。主人公くらい登場頻度が高ければ覚えるかもしれませんが、モブキャラは、全く記憶に残りません。

そうすると、登場人物が多い小説などは、その人物の背景がわからなくなって、発言を聞いていて「ああ、まえにこういう関係だった人か」とあとになってわかります。

 

見る読書では、漢字で名前が表記されているので、発音は別として、人物の区別がし易いのですが、聞く読書では「音」だけで区別しないといけないので、ちょっと詳しくストーリーを追うということがしにくいです。

 

3.後で振り返られない

Audibleの実用書ではこれが致命傷だと思っています。

私は、本を読んだときには、大切だと思ったところや要約などをノートに書き出しています。もちろん、記録に残すまでもない本もありますが、ほとんどの本は、要約と気になったポイントを書き出しています。

せっかく大切なところなので、書き残そうとしても、「音」だけなので、書き写すのに、その部分を文字起こししないといけないのです。これがものすごく大変。

1.で大切だと思ったところにマークをつけづらいのと、さらにマークや記憶を頼りに関係する箇所を探し出しても、それをまた文字に書き起こす作業が待っているのです。

 

実用書は、一度読んで終わりにするのはもったいないし、書き残しておかなければ、忘れてしまいます。忘れてしまうくらいなら読むだけ時間の無駄です。

 

これが、epubKindle などの電子書籍なら、その部分のコピペは簡単です。自炊した書籍でも見えるようになっていれば書き写すのはそれほど苦にはなりません。マーカーを置くのも簡単ですし。

Audibleでは、全てが音情報なので、これをテキスト情報にするのはものすごく大変。後で振り返りたくても、重要な箇所を残すのが大変なのです。

 

特に、Audibleの聴き放題会員だと、10冊以上は一旦古い本は解除しないと次の本が読めないため、後で聴き直すことができません。購入すればいいのかもしれませんが、1冊が高い。結局聞きっぱなしで、「読んだ」という記憶だけが残って、ほんの大切なところは残らずじまいです。

 

まとめ

ということで、Audibleの活用についてですが、

  • 小説をたくさん読みたい人
    あなたにはAudibleはおすすめです。自分の好きな小説をプロの声優が読み聞かせてくれるという体験はなかなかできるものではありません。
  • ながら聞きをして、短時間にいろんな知識の概要だけ知りたい人
    Audibleで知りたいことのジャンルを次々と読むことで、概要のイメージが頭の中に作ることができるでしょう。ただし、細かなところは、Audibleで良かった本の電子版を購入しましょう。
  • 本を丁寧に読みたい人
    Audibleは向きません。Kindleなどの電子書籍が良いでしょう。お金が続かないようなら図書館にいけば大概の本はあります。その中で「この1冊!」と思ったものを買いましょう。

私としては、「ながら聞き」をするのには小説で十分と思っていますし、自分が勉強したいジャンルの実用書は電子書籍+ @Voice か、紙の本が適していると感じました。