ラクスルアナンダ

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クオータータスク管理法

「クオータータスク管理法」とは、1日を4つに分割し、

    大きなタスク → 雑用や小さなタスク

を繰り返す方法です。

 

人の集中力は、作業を開始してから10~30分くらいでピークになり、そこから徐々に低下していき、1時間~2時間で集中力が切れます。


したがって、1日の時間を2時間毎の4つに分割して、大きなタスクを最大で4つやるように1日を計画すると、最も集中力が得られて効率的に作業が進みます。



1日にやる大きなタスクや重要なタスクは、かならずタスクリストで管理します。これは、そのときに頭の中に浮かんだタスクは、その時に注意を向けているものによって、かなり偏ります。したがって、すべてのタスクを一覧できる状態をつくって等しく優先度を評価しないと、ただしく判断はできません。

 

1日の終りにタスクの進捗状況をタスクリストに書き込んで、タスクリストを更新するとともに、翌日に達成したい大きなタスクを2~4個リストアップしてから退社します。

そして、翌朝再度タスクリストを確認して、そのタスクを今日やることに異論がなければ今日のタスクとして設定します。

 

タスクは1日に2~4個

タスク管理をよほどきっちりやっている人でもなければ、5分~20分程度の見積もりのタスクをタスクリストに書き込んで、優先順位を付けて管理するなどという面倒なことはしていないと思います。タスクリストを管理する時間がひとつのタスクを実際にやる時間に対して大きくなってしまって、コスパが合わないからです。

 

そこで、このクオータータスク管理法では、今日絶対に完了しなければならないタスクだけを管理します。それを毎日2~4個、1日の始まりに決めるのです。

 

以前こんな話を読んだことがあります。

 

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20世紀のはじめころ、世界でいちはんの金持ちはチャールズ・シュワブという男だった。ある日、ひとりの青年が彼にこう持ちかけた。

 「ミスターシュワブ、あなたの貴重な時間を、毎日何時間も節約するのに役立つアイデアがあるんです。すごいアイデアだと確信しているので、お教えします。その代わり、1ヶ月試した後で、効果に見合うとお考えの金額を払っていただけますか」

チャールズ・ソコワブは青年の提案を受け入れ、1ヶ月後に代金を支払った。
その額は、なんと10万ドル。現代で言えば1200万ドルをもらうようなものだ。

 

そのアイディアとは、

  毎晩寝る前に、明日やらなければならないことのうち、最も重要なタスクを5つ書きだす

だったそうです。

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個数的にもちょうどいいくらいです。

 

タスクを単純作業にする

ここにおける「タスク」とは、ある目標を達成するための成果(OUTPUT)を出すための作業を言います。このためには、どのようなINPUTをどのように変換するかを考えなければできません。一方で、「作業(ToDo)」とは、どのようにやるかがすでに決まっているものです。

 

つまり、開始するハードルが低いのは「作業」です。

 

そして人は、作業を始めてしまうとエンジンがかかって、そこから集中力が高まります。

「案ずるより産むがやすし」と言われるように、とりあえず始めてみると、それをトリガにして集中力が高まって、想定していたよりも簡単にできるということでもあります。

 

このために、「とりあえずExcelファイルを開いて、データを眺めてみる」のように、「タスク」として段取りを考えてから始めるのではなく、非常に単純な作業として始めてしまうことで、それをやっているうちに集中力が高まるトリガにすることが可能です。

 

1~5分程度で終わる作業を連ねていくことで複雑なタスクも集中力を持ってこなすことができるようになります。

 

集中できる環境を用意する

集中を乱すような要因は基本的に排除する必要があります。詳細はまた別途書きますが、以下のような環境を作ることです。

 

  • 視界内にタスクに関係あるもの以外を置かない
  • 周囲を暗くして、作業環境だけを明るくする
  • 雑音が耳に入らないように個室にはいる
  • 音楽の力を利用してスタートを切り、集中力が高まったら音楽を停止する
  • 集中できる儀式を持つ
  • 快適な温度を維持する
  • モノをなくす
  • 他の人からの割り込みを禁止する
  • PC・スマホなどのアラームを禁止する

 

計画を責任者と共有する

今日はどのタスクを完了させるのか、このタスクはいつまでに完了するのかなどの計画(プランではなくスケジュール)を業務の責任者、あなたの上司と共有しておくと、それがプレッシャーになって、やらざるを得ないという感情を持てます。

 

「今日はこのタスクを完了させよう」と思っても、それを知っているのは自分だけだとすると、甘えが出ます。「あっちの割り込みがあったから仕方がない」などと言い訳をしやすくなります。これに対して他の人(特に責任者や上司)とその目標を共有していると、全く手つかずということにはなりません。そして、手を付ければ、達成できるかどうかは別としても、「タスクを単純作業にする」で述べたように、多少の進展をさせることができ、それをトリガにして集中力を発揮することが可能になります。

 

多くの書籍では「締め切り効果」を謳うこともありますが、筆者としては、これはおすすめできません。土壇場になって、火事場の馬鹿力のようにタスクを完了させるのは、タスクの品質や生産性、他のタスクの犠牲を伴うためです。

 

プレッシャーは開始点だけにしておくのが良いと考えています。

 

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本記事は、拙著の一部引用です。

詳しくは、こちらをどうぞ。