日本語入力で誤変換をなくすアイディア
「機能、新商品の試用について回議が有った」
意味不明ですね。もともとはこういう入力をしたかったのですが。
「昨日、新商品の仕様について会議があった」
特にちょっとばかり賢いIMEだと、直前に変換した結果や単語の利用頻度を覚えていて、それに合わせて最初の候補を変更してくれるものだから、勢いでどんどん確定していくとこういう結果になります。
私はGoogle日本語入力を使っていますが、これで「イラッ」とするのは、最初の例のように「あった」を「有った」と勝手に変換してくれること。いろいろ便利なのですが、無駄に漢字にしようとするのはちょっといただけない。
■読み替えをユーザ辞書に登録する
誤変換を減らすには、「読み替え」をユーザ辞書に登録しておくことです。
よくあるのは「市立」「私立」ですね。前者は「いちりつ」と言い、後者は「わたくしりつ」と言えば、間違われることはありません。同じことを、入力時にもやればいいわけです。
私は、基本的に後ろの漢字を読み替えるようにしています。どういうことかというと、漢字2文字以上で同音異義語があるときには、最後の文字を別の読み方にするということです。
たとえば「依頼」「以来」。
「依頼」と入力しようとしたときについ「い」までは入力してから「あ、同音異義語がある」と思い出すので、その後ろを読み替えます。
依頼 ー いより
以来 ー いきた
当然、後半が同じ漢字の場合もあるので、その場合は異なる漢字部分を読み替えますが、なるべく後半に読み替えが来るようにしています。
これは、私の場合、単語の最初は勢いで入力してしまうことが多いので、最初が読み替えだと入力ミスになってしまうことが多いからです。
■読み替えの方法は一定のルールを設ける
思いつきで別の読み替えを決めても、次には別の読み替えをしていてはせっかく辞書に読み替えを登録しても使えません。ある一定のルールを設けるのがいいです。
読み替えは、優先順位として
音読み > 訓読み > 別読み > 英語読み > 中国語読み
同音異義語になるのは、もともとが音読みの場合が多いので、順番としては訓読みが多いです。
「別読み」というのは、元の文字が訓読みで、他の読み方がある場合、そちらの読み方をするというものです。たとえば、「重箱」の箱は「ばこ」と読みますが、「はこ(濁点がない)」とも読めるわけです。これを「じゅうはこ」と読むような読み方です。
英語読みは、一部ではなく、その漢字全体を英語で読んでしまうことです。たとえば、「機会」は「ちゃんす」と入力するようにすれば、「機械」とは重なりません(ちなみに「機械」は「ましん」で登録しています)。
最後に、ちょっとだけ中国語もできるので、中国語読みも使います。たとえば、「会」は「ほい」と読み替えます。中国語読みはユニークな読み方になりやすいので、他の同音異義語と重なることが少なくなります。
いくつか事例をご紹介します。
- いじょう
- 以上 ⇒ いうえ
- 異常 ⇒ いつね
- しよう
- 仕様 ⇒ すぺ (英語:スペック)
- 使用 ⇒ しよん (「よん」は中国語読み)
- かんじ
- 漢字 ⇒ はんじ (「はん」は中国語読み)
- 感じ ⇒ ふぃる (英語:フィーリング)
- じしん
- 自信 ⇒ じのぶ
- 自身 ⇒ じみ
- 地震 ⇒ じゆれ
- じたい
- 自体 ⇒ じてい
- 事態 ⇒ ことたい
- せんたく
- 洗濯 ⇒ くりん (英語:クリーン)
- 選択 ⇒ せれ (英語:セレクト)
■思いついたらすぐ登録
こうした読み替えは、実際に一発で変換できなかったときにすぐに登録しないと忘れてしまいます。ですので、即登録作業ができるように、ワンタッチ(右シフト+F12キー)で起動するように、AutoHotKey でキーマップをしています。
Rshift & f12:: run, "C:\Program Files (x86)\Google\Google Japanese Input\GoogleIMEJaTool.exe" --mode=word_register_dialog
バッチファイルでも同じことができます。
デスクトップに、ショートカットの作成で、以下のように書いておいて、それに適当なショートカットキーを割り当てるだけです。
"C:\Program Files (x86)\Google\Google Japanese Input\GoogleIMEJaTool.exe" --mode=word_register_dialog
"\" は "¥” 記号です。適宜書き換えてください。
また、インストール方法によっては実行ファイル GoogleIMEJaTool.exe の場所が異なりますので、インストール環境によって適宜変更をしてください。
■変換したくない漢字
「有った」の例のように、変換候補にしたくないものがあります。
これは、「抑制単語」という品詞を使います。日本語の品詞としてはこんな品詞はないですが、これは、Google日本語入力では品詞の一種として扱われています。
たとえば、前述のように別の読みにしたものは、もうその漢字はその読みでは出てきてほしくないので、私は必ず別読みした漢字は、普通の読みでは抑制単語にも登録しています。
そうすると、
- いじょう
- 以上 ⇒ いうえ
- 異常 ⇒ いつね
のような場合に、「委譲」が候補の先頭になるようになるので、使用頻度の低いものは、普通に読めば候補の上位になってくれます。これで、漢字に変換するときに、「変換キー」や「矢印キー」を押す回数を減らすことができます。