ラクスルアナンダ

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タスクリストの階層を管理する方法

ほとんどのかたが何らかの形でタスクリスト(またはToDoリスト)を作って見えるか、作った経験があると思います。ただ、結構な確率で失敗します。

この原因と対策について考えてみたいと思います。

 

 

 

タスク管理がうまくいかない理由

タスク管理がうまくいかない理由は、多くの場合、以下のようなものが原因です。

 

  • リストが減らないことに対する嫌気
  • リストを更新しないことに対するリストの信頼性の欠如
  • リストを更新するための作業が負担
  • リストをあちこちに書いたための紛失または重複
  • タスクとプロジェクトの混合により管理が複雑化

 

つまり、この逆をやれば、タスクリストとしてはうまく管理できるようになるということです。

すなわち、毎日タスクリストが着実に管理できているという実感(達成感)があり、いつでもすべてのタスクがこのリストに書きだされていて(信頼感)、管理が面倒ではないシステム上で一元管理されている状態になっていれば、タスク管理はうまくいくでしょう。

 

GTDを始めとする多くの書籍や、記事などでも「このように作れ」と書かれています。しかし、そんなものを簡単に作れるわけはありません。

 

やるべきことは大小取りまとめて何百もあります。年間の目標がひとつしかない場合であっても、タスクとしては毎日8時間以上はやるべきこと、すなわちタスクがあるのです。

 

仕事は階層をたどってタスクになる

そもそも、仕事は構造化されていて、ある目標に対して、サブとなる目標があり、さらにそれを分解した目標があり、それをどんどん分解していったときにようやく1~2時間のタスクになるのです。

 

つまり、

 

  年間の目標

   +前半の半年でやること

     +4月にやること

       +4月第1週にやること

          +4月第1週月曜日にやること

            +4月第1週月曜日の09:00にやること

            +4月第1週月曜日の10:00にやること

       +4月第2週にやること

          :

     +5月にやること

     +6月にやること

       :

   +後半の半年でやること

     +9月にやること

     +10月にやること

     +11月にやること

       :

   +年間を通じて定期的にやること

   +年間を通じて毎週にやること

   +年間を通じて毎日にやること

   +イベントごとにやること

 

このようにだんだん分解されて最終的にタスクになっているわけです。

 

リストという一次元のシステムでは、階層は管理できない

GTDなどでは、複数のタスクはプロジェクトと呼びます。しかしプロジェクトは、「会議を開催して合意を得る」というレベルのものから、「業務効率化活動で、10%の効率化をする」という1年を通じてやることまで、大小様々なものがあります。このため、タスクには階層、すなわち親子構造という2次元的な考え方が必要になります。

これを1次元の「リスト」という構造で管理しようとすること事態に無理があるわけです。

 

たとえば、プロジェクトAを達成するためには、A1,A2,A3というタスクからなっていると考えます。単純にA= A1+A2+A3 という構造です。Aはタスクリストでは管理できませんから、別のリストで管理しようとすると、タスクA1~A3を順番にこなしていったときに、A3が終わったら、プロジェクトAを完了にしなければいけません。しかし、プロジェクトを別のシステムで管理していると、そのシステムでAを完了しない限り、Aは完了にならないわけです。

 

これはタスク管理を複雑にしているだけです。

 

さらにAというプロジェクトはXというプロジェクトの下位構造だったとすると、X=A+B+Cみたいな状態を認知していなければ、次にはプロジェクトBのタスク分解をして、そのタスクの着手をするという管理もできません。

 

破綻しないわけがないのです。

 

 

階層とタスクリストを同時に管理する方法

したがって、タスクリストはリストという一次元の構造ではなく、複数の階層を持つことができるツールで管理する方法が必要なのです。そして、そのツールの中で、「タスク」だけを抽出して、一次元的に見せてくれるツールがタスク管理に適していると考えます。

 

実際、筆者が「タスク管理ツール」と銘打って公開されているツールはすべて一次元のリスト管理に特化していました(筆者の認識不足もあるかもしれません)。このため、冒頭に上げた問題は残り続けます。タスク管理ツールを導入してもタスク管理がうまくいかないのは、ツールの問題であると考えます。ツール自身が悪いのではなく、ツールが現実を反映できていないという点において。

 

このため、暫定的ではありますが、ふたつの方法を提案します。

 

ひとつはマインドマップを用いる方法。もうひとつはOneNoteなどのノートツールのアウトライン機能を使用する方法です。

 

マインドマップで階層を俯瞰し、タスクの管理をする

マインドマップ」とは、人間の思考プロセスを可視化したノート法で、頭の中のことが見えるようになるため考えるのをラクになり、書くことで思考整理がしやすくなったり、書いた内容を記憶しやすくする効果を持っています。

 

イギリス人著述家のトニー・ブザン (Tony Buzan)が、1970年前後に考案し、世界中で使われるようになりました。日本でも2006年頃から、マインドマップに関する書籍が多数出版されるようになり、さまざまなビジネスシーンで活用されるようになって来ています。

 

タスクリストを管理するマインドマップ

 

このように、階層構造を見やすく管理することが可能です。

そして、このマインドマップの最下層のブランチ(マインドマップでは記載された要素をこのように呼びます)がタスクです。これ以上分解できないという状態になっています。

 

フリーのマインドマップを作成するツールであるXMindはじめ、ほとんどツールでは、ここにマーカをつけることができるようになっています(図中ではA-1-1)。そして、下の図のように、マーカがついたものだけに表示を絞り込むことができます。

 

 

つまり、これをタスクにはマーカをつけ、未完了・完了・優先度などでマーカの種類を変えれば、構造化されたタスク管理ができるようになります。

 

 

タスクの詳細な説明を追加することも可能です。

 

XMindでは、タスクの開始日時・締め切り・担当者なども管理することができますので、タスク管理ツールとしては最適だと考えます。

 

OneNoteのアウトライン機能とOutlookでタスク管理する

アウトライン機能は、「アイディアプロセッサ」「アウトラインプロセッサ」と呼ばれるアプリのジャンルにおいて実装されている機能で、Word/OneNoteなどでも利用可能です。

 

アウトライン機能とは、階層構造を持つ情報を管理して、必要に応じて表示したり表示から消すことによって、階層を見やすくするためのものです。

たとえば、下記の図は、OneNoteで作成したProjectの構造を表したものです。

このようにすべてを表示してやると、段付けされて全体が表示されます。



 

一方で、A2を折りたたんでやると、以下のようになります。



 

つまり、A1について状況を管理するためには、A2以降の階層は必要ないので、それを表示しないようにできるわけです。

 

さらに、OneNoteには「フラグ」という機能があって、そこにチェックマーク(完了記号)をつけることが可能なので、最下層の行にフラグを付けてやれば、タスクとして管理することが可能になります。

 

ただし、OneNoteでは、期限ごとにソート・抽出などができませんので、タスクとして管理するには若干の手間が必要になります。

 

管理する方法は、OneNoteにおいて、「Outlookタスク」という機能を利用します。

OneNoteである行を「Outlookタスク」として登録すると、Outlookのタスクリストに表示することが可能になります。そこで、タスク管理はOutlookで行えば期限や開始時期などの設定ができるようになります。

Outlookでそのタスクを完了にすると、OneNoteにもその結果が反映されます。

 

筆者が調べたところ、階層構造を管理した上で、階層の最下段をタスクとして扱える方法としては、この2種類しかありませんでした。